「リアルなキャラクターを単純に小さくしただけでは、かわいいデフォルメにはならない」
2頭身キャラ→頭:体=1:1
2.5頭身キャラ→頭:体=1:1.5
3頭身キャラ→頭:体=1:2
・・このような比率で描けば、プロが描くかわいいデフォルメキャラになると思っていましたが、素人が描くと全然かわいくない‥(^^;)
・・と思ったので、こちらの書籍を読みました↓
こちらの書籍は、「宮月もそこ」さんというプロイラストレーター・漫画家さんが描かれた解説本です。
表紙絵が私の理想の絵柄にちかく、この技を盗みたくて熟読しました。
書籍には、
・2頭身
・2.5頭身
・3頭身
・・のデフォルメの仕方、描き分け、かわいく見える描き方のコツ、ダメな例などが書かれています。
さらに、ペン(手)の動かし方なども載っているので、イラスト素人さんにもオススメです(^^)
・女の子キャラのデフォルメの仕方が知りたい
・デフォルメキャラ絵の素人~中級者
・かわいいデフォルメキャラが描きたい
練習記録と殴り書きメモ付きです。
基本:デフォルメキャラをかわいく描くコツとは?
・パーツのバランス
・省略、強調する部分
・・を意識することが大事だと言われています。
普通のキャラクターを描くときは、
頭6個分の体型=6頭身
頭8個分の体型=8頭身
・・を意識する人が多いが、ミニキャラは何となく描いてしまう。
手足の長さは、どのくらいか?
目や口の大きさのバランスや形は?
強調する部分・省略する部分のメリハリで、かわいくなる
<強調する部分>
・目
・頭
・キャラの特徴的なパーツ(アクセサリーや髪型など)
・丸み
<省略する部分>
・鼻
・首
・手首
・足首
鼻は点で描くか、完全に省略する。
目は大きく、位置は低めに描く→童顔効果がある
目と目の間を開けると可愛いさアップ→草食動物のイメージ
あごは骨ばった部分を省略し、丸みを強調
丸のイメージ=やわらか、優しい
手足はしっかり描くが、首、手首、足首はほとんど描かない(デフォルメする)。
手先・足先は、先すぼまりさせながら小さめに描く。
キャラクターの個性を示すアクセサリー(リボン、小物など)は、大きめに強調。
ただし、細かいディティールを省略して描く。
できるだけ、とんがっている物を丸くすること。
デフォルメキャラの頭身別の違いとは?
書籍内で描かれている素体(服やアイテムを取り除いた裸の状態)をみると、2頭身・2.5頭身・3頭身で描き方が違います。
2頭身・2.5頭身・3頭身の特徴
2頭身 | 頭が大きいので、表情をみせるのに特化している |
2.5頭身 | 2頭身、3頭身のいいとこ取り、動かしやすさと可愛さのバランスがよい |
3頭身 | 初心者でも描きやすい、動かしやすく、服装を素敵にみせられる |
3頭身 (子ども体型) |
幼児を意識したデフォルメ、デフォルメ具合が少なめ |
2・2.5・3頭身の「素体」の基本
<ぜんぶの頭身の共通部分>
・ヒップ幅は、体で1番大きくなる
・手足の長さ比率(各頭身の体に対する長さの比率)
<描き方が変わる部分>
・体の関節部分
・首
・髪の毛(束)
※頭身が低いほど省略すること
<2.5頭身>
・基本→洋ナシ体型
・細身→着物のような寸胴ファッションに合う
・三角形→ボリュームのあるスカートを穿いてるキャラに合う
<2頭身>
・お尻、お腹のぷくぷく感が特に強調されている
<3頭身>
・やや細長の洋ナシ体型
身体:2・2.5・3頭身+αのキャラを描き分けてみる
体の中でお尻の幅を1番大きくと、ミニキャラらしいかわいさが出ます(どの頭身でも共通)。
頭身を描き分けることで、同じキャラでも違った魅力が出せる。
例‥
3頭身→おすまし、動き回る元気さ
2頭身→マスコット、ギャグ
書籍では、2.5頭身が基本とされていますので、2.5頭身から紹介します。
2.5頭身
・リボンなどのアイテムは目立たせる
・髪は素体の頭部より、ひとまわり大きく
・首は、ほぼ描かない(描く場合はごく短く)
・ただし、首がある前提で考える
・首をひねるポーズでは、頭のみ回転している状態
・なで肩にすると、かわいさアップ
・胸の大きさは、くびれで表現
<服のえりの描き方>
・肩まわりに描くか、あごを覆うように描く
<手の描き方>
・指を描く表現と省略する表現がある
・赤ちゃんの手を意識する
・基本的には関節を省略して描く(しぐさによっては親指の第1関節を描く)
・爪は描かない
・物をつかむしぐさは、物自体を大きくデフォルメする
・どんな時も丸っこさを意識
・足は3ブロックで考える
・足先に向かって少ししぼむ
・足首は省略
・関節はくっきり描かず、位置だけとらえておく
・腕も3ブロックで考える(指は別)
・スカートの場合、プリーツの段差は省略しない
・ローファーを描く場合、甲の部分を強調し、ディティールは省略
<三角形タイプ>
ヒップ幅が広いと、かわいく見えるのはおむつをはいた赤ちゃんのイメージがあるから
・胴体は3角形に近い
・手足がほそい
・肩幅せまく、お尻がひろい
・手足に装飾が多いキャラ向き
<細身タイプ>
・ちょっと大人なミニキャラに合う
・胴体が筒状
・ボディと手足の長さが同じ
・体にフィットした服装(スーツ・着物など)が合う
バランスを守ると、かわいくなりますね(^^)
2頭身
・髪の毛束が厚め
・顔のパーツが下寄り
・リボンは身体に対して大きく描く
・手先、足先を簡略化(赤ちゃんの手をイメージ)
・指は豆粒のように描く
・洋ナシ体型
・関節は省略するが、あるものとして考える
・靴は他の頭身と比べて省略する
3頭身
・標準的な3頭身デフォルメと、子ども体型の3頭身がある
・髪の束が細かい
・目の位置が高い
・他の頭身に比べて、肩幅がちょっと大きめ
・指が長め
・靴に少しディティールを加える
・服のしわも少し描く
・他には末広がり・細身・かちっとタイプがある
・かちっとタイプ(からだ四角め)は男性キャラに向いている
2頭身未満
・骨格のない「ぬいぐるみ」のイメージ
・ギャグ調のシーンなどで使える
・凝った服のデザインには向かない
・シンプルな服装に合う
おまけ:3頭身と2頭身比べ
著者である宮月先生の描き分けは、すばらしいですね(^^)
2頭身・3頭身でも同じ娘だとわかるし、キャラがマジでかわいい。
顔:2・2.5・3頭身を描き分けてみる
顔の描き分けのコツは、
・顎(あご)
・目の位置
・口の形
・髪の毛
↓
頭身が低いほど、
・あごが削れる
・上まぶたは簡略化されて短くなる
・まつげも簡素なものになる
・口は丸に近づく
・毛束がデフォルメされる
2.5頭身の顔のバランス
・瞳と瞳の間は広めにすると、かわいくなる
・目の閉じ方によって描く位置が変わる(にっこり笑って・寝る・微笑みなど)
・ほっぺは滑らかに描く
・瞳の「中心」は決めておくこと(視線が定まらなくなるので)
・上まぶたは、3ラインに分けて描く(つり目・たれ目などを表現)
・瞳はお米のような形で描く
・眉は、頭の上から半分~1/3くらいの位置で描く
3頭身の顔のバランス
・あごの骨の出っ張りが少しが見える
・ただし、ミニキャラはあごをとがらせない
・瞳の大きさは、頭部の高さ1/5くらいがベター(大きすぎても、小さすぎてもバランスが崩れる)
・眉の高さは厳密でなくてOK(違和感を覚えない程度)
・瞳はお米のような形で描く
2頭身の顔のバランス
・2頭身は、パーツ(目・鼻・口・耳)が下に集中する
・りんかくは、あごが極端に削れる(ほとんど真っ平)
・鼻の位置が他の頭身より少し上
・おでこが広くなる→おでこを見せる髪型が似合う
・まぶたは短くて太め(1~2ラインで表現)
・瞳の形は、アーモンドか楕円
・目が二重の場合は、みじかい線で表現
・瞳のハイライトの省略
その他、参考になったパーツ描き分け
・どの頭身でも「瞳の瞳孔」が中央にあることを意識する
・たれ目は上まぶただけでなく、下まぶたにもたれ感を出す
・口も丸みを意識する(若干ななめに傾けると感情が強調される)
・髪の毛は大きな束で描く、所々細かい束を入れてもOK(ただし、頭身による)
・6頭身キャラの髪の毛のハネなど特徴的な部分は、ミニキャラにした場合も取り入れる(同じ子だと分かるように)
・前髪は3束くらいで描くと〇
・3頭身の顔+4~6頭身の身体の組み合わせはOK
・3頭身の顔+2、2.5頭身の組み合わせはNG
・ミニキャラは描き込みすぎると、違和感が出る
特に、キャラの口で表す感情が苦手だったので、とても参考になりました(^^)
MM→複雑な思い、困惑
3→すねてる
〇→おどろき
・→あきれた表情
ミニキャラの気持ちを「表情」と「ポーズ」で表現する
<ミニキャラの感情表現>
・記号のようなパーツを組み合わせて表情を作る
・できないポーズは「だまし絵」で表現する
【便利!】表情パーツの組み合わせ
こちらのサイト様↓をよく使っていましたが、パーツを組み合わせて表情を作るの便利ですよね(^^)
<細かい表情をつける>
・目を細めた微笑み
・眠そうな表情
できないポーズは「だまし絵」にする
・体の厚みを無視する
・ちょっとだけ長めに描く
・・など「だまし絵」にすると、それっぽく見える
ポーズ集:喜怒哀楽の表現の練習
書籍に描かれていた「喜怒哀楽」の表現を簡単に練習してみました。
※書籍内では、「楽」→「驚」「照」になっています
手を顔の前に置くポーズなどは、手を置いてから体のアタリを取る方が描きやすいそうです。
喜:外向きのパワー、手足を広げる
怒:強い怒りはどっしりポーズ(重心の安定感)
哀:内側に向くしぐさ
驚:嬉しい・ポカーン・びっくり・あきれ‥驚きは表情で示す
びっくり:体に力が入る(手足が硬直ぎみ)、髪の揺れ
ギャグ調あきれ:目を極端にデフォルメ
静かな驚き:眉だけで表現
照:やや内側に向く、目を背ける・顔を隠す・緊張ぎみなポーズ
・体が縮こまる(内股)
・頬の赤み
・しずく型の汗
ポーズから感情を表現する‥はこちらの書籍も参考になります↓
実践:実際にデフォルメキャラを描いてみる
以前、中途半端にキャラデザした「オルカンちゃん」でデフォルメキャラを描いてみます。
※オルカンちゃんとは、私の持っている投資信託の全世界株式(オール・カントリー)を擬人化したもの。
ウマ娘が現在進行形で流行っているので、思いつきでデザインしました
ちびオルカンちゃんの完成です。
まとめ:かわいくなる法則を知って、自分の絵に生かす
・それぞれの頭身の「顔」と「体」のバランスに気を付ける
・アタリと素体の練習をする
・「強調する部分」と「省略する部分」を意識する
・丸みを意識する
・赤ちゃんの体型を意識する
・だまし絵=それっぽく見せるための手段
デフォルメキャラの練習用に すごく良い本だったので、3周ほど読みました(^^)
1週目:ざっと読み
2週目:ブログの紹介用(文章おこし)
3週目:デフォルメキャラ練習のため(実践)
イラスト中級者以上の方なら、要所(パーツのバランス・丸み・赤ちゃんの体型を意識)さえつかめば、簡単に自分の絵に取り入れられると思います。
素人~初心者さんは、アタリや素体の練習で十分描けるようになると思います。
そのさい、リアル写真(資料など)と見比べて描いてみると、さらに学びが深まります↓