グリザイユ画法という塗り方をご存じでしょうか?
グリザイユ画法は、基本色を入れる前、さきにグレー色で凹凸(おうとつ)を描き込んでおく画法のことです。
「基本色」「影」「ハイライト」を分けて考えれるので、1つ1つの作業に集中できるそうですが‥早々に挫折しました(^^;)
しかも、2度目の挫折です‥
グリザイユ画法をやってみて、「どんな人に向いているのか?」または「向いていないのか?」個人的に思ったことを書いていきます。
なお、この記事ではグリザイユ画法のやり方自体は説明しませんので、ご了承ください。
・グリザイユ画法とは何か?
・実際にグリザイユ画法をやってみた感想
・いつもの厚塗りと比較
・個人的に思うグリザイユ画法が向いている人or向いていない人
グリザイユ画法とは何か?
このような塗り方で、「凹凸(立体)」と「着彩」を分けて考えれるので、手早く塗れるようです。
今回の作業にあたっては、こちらのサイト様を参考にさせていただきました↓
https://comic.smiles55.jp/guide/10591/
実際にグリザイユ画法をやってみたが、手間や出来上がりの面でキビしい‥
ちなみに、グリザイユ画法って「グレーで陰影つけたレイヤーの上にオーバーレイで色を乗せていくんでしょ?」‥くらいの知識からスタートしました(^^;)
<今回行った手順>
下書き
↓
線画
↓
グレーの陰影
↓
オーバーレイで基本色乗せ
↓
青み・赤みレイヤーの用意
↓
くすんでいる部分の修正
↓
完成
流れだけ見ても、いつもの作業1.3倍くらい手間がかかっています
個人的には、絵はなるべく手間をかけずにクオリティ高いものを作る(※)のが正義だと思っていたので「うーん・・」って感じです。
※ただし、絵がメインのときのみの考え方です。絵が文章の補助的な役割のときには、絵に力をいれないようにしています
もちろん、手間をかけずにクオリティの高いものを描くための鍛錬は日々積んでいますが‥(^^;)
グリザイユ画法と厚塗りの比較
グリザイユ画法は、赤みと青みのコントロールが本当に難しかった‥(^^;)
比較すると、グリザイユ画法の方が赤みが強いですね。あと若干、色同士が浮いているように見える。
個人的に思った失敗の原因
・レイヤーが増えすぎて管理の手間がかかる=効率が悪い
・色彩知識が多少ある人にとっては、狙った色味が出なくて苦戦する
・塗り直しが何度も発生する
レイヤーが増えすぎて管理の手間がかかる=効率が悪い
周りが散らかっていると集中できないタイプの方には、向いていないかもしれません。
私も周りが散らかっていると、同じところをグルグル回ってしまう(効率が悪い)タイプです(^^;)
デジタルイラストに関してはレイヤーをできるだけ残しておいた方が、手直しする時に後戻りできる利点もありますが、散らかっていると作業効率が悪くなるタイプの絵師さんはグリザイユ画法向かないのかもしれません。
レイヤーがかなり増えるので‥。
色彩知識が多少ある人にとっては、狙った色味が出なくて苦戦する
プロ絵師いわく、グレー系~黒系の陰影は汚く見えるそうです(ただし、狙ってグレー系にするのはアリです、排他的・絶望的な世界観など)。
グレーを下地にしているので、当然、影はグレー系の色になります。
そこから「赤み」や「青み」を足して、キレイに見せる作業をしていくんですが、狙った色味がでなくて苦戦しました。
オーバーレイのレイヤーの色もいじりましたが、どうしても、赤み・青みが黒っぽくなってしまう(;”∀”)
色彩知識を多少なりとも持っている人にとっては、あとから赤み・青みを付ける作業は大変かもしれません。
色彩は本で勉強した程度ですが、凹凸や影など直接塗った方が速いし、キレイになりました
塗り直しが何度も発生する
狙った色味が出ないにも関連しているんですが、何度も塗り直しました(^^;)
グレー下地レイヤーは「グレー下地+影用の濃いグレー」の2つしか使わない後戻りできない構造だったのも良くなかったのかもしれません。
塗っては消しての繰り返し。
レイヤー増やせばいいじゃん?と思うかもしれませんが‥
私の場合、レイヤーが増えすぎると作業効率が悪くなるので、どのみち一長一短なんですよね‥
個人的に思うグリザイユ画法が向いている人・向いていない人
※個人的に思ったことなので、絶対に向いている(もしくは向いていない)というわけではありません。最終的な判断は、ご自身でおねがいします。
前の方で少し触れているので、かぶってしまう項目もあります。
グリザイユ画法が向いている人
<イラスト初心者(色より凹凸を学びたいなど>
色より、まず凹凸などの陰影を学びた方にはオススメな塗り方かもしれません。
色味と凹凸を同時に考えるのは、初心者には大変ですからね(^^;)
<レイヤーが増えた方が効率が良い(後戻りできるため)>
レイヤーが増えてもキッチリ管理できる方にも良さそうです。
大変な手直しが発生したときもリカバリーがしやすくなるので。
たとえば、お客さんに依頼されたイラストなどは、急な変更もあり得ますので、後戻りできた方が便利ですよね。
<グレー系の世界観にしたい(絶望感や排他的な雰囲気にしたいなど)>
荒んだ世界観などにしたい場合には、赤みや青みなどの彩度があまり必要ないので、色の調整という意味では時短できますね。
グリザイユ画法が向いていない人
<イラスト初心者以上の方>
ある程度の凹凸・色彩知識のある方にとっては、グレーから色付けするのが正直、面倒です(^^;)
最初から影付け、色選びができるならグレーにする必要がないかな?と思いました。
<レイヤーが増えると効率が悪くなる>
どこに何の色を入れたのか、マジで分からなくなります‥(^^;)
あと、探す手間もかかる。
後戻りが難しくなるという欠点もありますが、個人的にはレイヤーが少ない方が良い。
ちなみに、私の厚塗り時のレイヤー(背景なし+特殊なイラストじゃない場合)はこんな感じ↓
顔の線画・その他の線画・影1・影2・ハイライト1・ハイライト2・基本色(+非表示の下書きや補助線が3個くらい)
実質、全部で7レイヤーほどです。基本色は別々に色を入れた後に、全体を確認し、統合しちゃいます。
余談ですが、あるプロ絵師さんは逆に、レイヤーをワザと少なくしているようです。
後戻りができると、いつまでも戻ってしまって、絵が完成しないから‥と言っていました
<ほかの塗り方が確立されている方>
初心者以上の方‥と内容が かぶりますが、塗り方がある程度 確立されているなら、あえてグリザイユ画法をやる必要はないように思えます。
手間が増えるだけなので‥。
ただし、試行錯誤的な意味でやってみるのは、いいかもしれません(^^)
今回、グリザイユ画法をやってみようと思ったのは、どんな感じなのか気になったからです。
まとめ:プロ絵師さんでもグリザイユ画法をメインにしている人は少ない?
グリザイユ画法は‥
・色の扱いが難しい
・レイヤー数が増える
・手間がかかる(ただし、グレー系の世界観にはこの限りではない)
・まずは、凹凸を学びたい初心者にはいいかも?
こんな感想を持ちました。
プロ絵師さんたちのメイキング動画をよく見るのですが、グリザイユ画法をメインで使っている絵師さんは少ないように思いました。
(解説動画を作るために、あえてグリザイユ画法を使っている動画はありましたが)
やっぱりプロ絵師でもグリザイユ画法は、扱いづらいんでしょうかね?
一応、Amazonではグリザイユ画法の解説本が売られていますが、正直、試してみるなら動画解説の方がわかりやすいと思うので、そちらをオススメします↓
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